現在では、パソコンや周辺機器などの「ハードウェア」そのものの内にも小さなコンピュータのようなものが入っています。さらに、携帯電話機、デジカメ、デジタル放送対応のテレビ、DVDレコーダーなども同じように作られています。
このような「ハードウェア」が動作するための「プログラム」のことを「ファームウェア」と呼んでいます。
例えば、デジカメの電源をONにすると、『ランプがついて、レンズカバーが開いて、レンズが出てきて、液晶画面にあと何枚撮れると表示される』などの動作は、すべてこの「ファームウェア」のおかげです。
パソコン関連機器では、「無線ルーター」、「DVD/CDドライブ」などが、主に相性に関する機能を改良するために、「ファームウェア」アップデートの対象になることが多いようです。また、パソコンの「ハードウェア」本体を動かすための「ファームウェア」に相当するものを、特に「BIOS(バイオス)」と呼びます。
「ファームウェア」の実態は「ソフトウェア」なのですが、「ハードウェア」部品の中に入れられており、「ハードウェア」に近い「ソフトウェア」という意味合いで、特に「ファームウェア」と呼ばれます。
したがって、このような「ハードウェア」では、メーカーの提供する「ファームウェア」をインターネット経由でダウンロードして、新しいものに入れ替えることにより、機器の不具合を直したり、機能を改良することができます。
この手順のことを、『ファームウェアのアップデート』と呼び、普通は私たちユーザーが意識して実行をします。
ただし、デジタル放送対応のテレビ、DVDレコーダーなどは、放送の電波を利用して、メーカー側が一方的に『ファームウェアのアップデート』を行なうようにしています。したがって、テレビなどでは私たちが『ファームウェアのアップデート』を意識することは、ほとんどありません。
個人の所有物を、改良と称して勝手に直してしまうのには、議論の余地があるかもしれません。